山ノ井大樹住職ってこんな人
【一言コメント】
訪れてきてくださった方を、ホスピタリティでもてなしたい、というのが私の想いです。それが功を奏しているかどうかはわかりませんが、玉照院は“再訪”が多い宿坊です。一度、足を運んでみませんか?
どうしてお坊さんになったのですか?
実は私、寺の長男でしかも一人っ子なんです。でも「僧侶になれ」という圧力は一切ありませんでした。父は僧侶と大学教授という二足のわらじの人でしたが「将来のことは自分で決めればいい。好きにしなさい」という姿勢だったんですね。だから、誰に何をいわれたわけではなかった。でも自分にとっては僧侶になるのが自然だったんです。周囲には常に読経が聞こえていて、仏の教えがすぐ近くにあった。そんな環境でしたから、気づけば「お坊さんになるぞ」いう風に、心が固まっていました。疑問や迷いはありませんでしたね。
非常に幅広い活動をされている印象ですが、具体的にはどのような内容なのでしょうか。
玉照院はさまざまな体験ができる「体験宿坊」です。写経やヨガ、お数珠をつくる体験講座、座禅と朝粥など、本当に色々ですね。精進料理を楽しんでいただくこともできます。最近は、企業向け研修を行わせていただくことも多いんですよ。機械化が進む今だからこそ、人でなければ駄目なことは何か、について、主に語らせていただいています。

それって、ビジネスの世界でいうと「ホスピタリティ」という言葉になるのでしょうが、天台の教えでは「忘己利他(もうこりた)」といいますね。己を忘れて他を利するは慈悲の極みなり。自分のことは後回しにしても、まずは人に喜んでもらうことをしなさい、ということです。

人間は、コンピューターみたいに膨大なデータを正確にさばくことはできない。一方で、クリエイティブな発想をすることや、人の心に響く行いをすることは、コンピューターには無理。人間にしかできません。こういった内容を、一般社員向け、管理職向け、さまざまなビジネスマンに向けてお伝えさせていただいております。ありがたいことに「来年もよろしくお願い致します」というお言葉を、数多くいただきますね。
さまざまな活動内容を思いつく発想力は、どこからわいてくるのでしょう。
誤解のないようにお話しておきたいのは、何でもかんでもトレンドにのって、真新しいことを考えているのとはまた違う、ということです。革新の中にも、絶対に変えてはいけない部分というのがあります。そこをしっかりと決めることから、イノベーションが始まるのです。便利だから、はやっているから…という視点では、この世界で正しい変革をすることは難しいでしょうね。あくまでも伝統を大切にしつつ、色々チャレンジをしていく、というのが私の考えです。

また細かいところの微調整は別として、一度固めたものをある程度継続してみるというのは、やっぱり重要だと思いますね。今、必要だと考えているのは、現在ある程度かたちになっている活動を、長く行ってみてどうなるかを確認することです。
Comment
ビジネスマンと話をしているようだ、というのが、山ノ井大樹さんの第一印象。ホスピタリティ、クリエイティブ、トレンドなど、仕事上でよく聞く単語がたくさん出て来る。またお話の内容の中に「この考え方は仕事でも使える」「上司が同じようなことをいっていたぞ」ということが多々あるのだ。会社勤めをされたことがないというのが、驚きでならない(それだけ仏教の教えが万能なのかもしれないが)。趣味はスキーやサイクリングで、それを通してビジネスマンとの交流も多いとのこと。この交友関係の広さも、引き出しの多さにつながっているのかもしれない。
Private
【趣味について】 冬は山岳スキー、夏はサイクリングを趣味としています。長野から東京まで約80キロメートル、自転車で走ることもありますよ。スキーもサイクリングも、活動を通してさまざまな方とご縁をつなげるのが素晴らしいですね。